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以前よりマンション管理に関し強い興味があり56年前から勉強を初め、現在各マンション管理組合の相談事をお受けしたり、大規模修繕の立会い等を業務の一環としております。

日本建築家協会マンションメンテナンス研究部会、NPO法人マンションメンテナンス業務機構に正会員として所属する私が、マンションに住まないことが今まで若干の負い目を感じていましたが、今年の217日に大規模修繕を近年に控えたマンションに引越しをしました。日頃のノウハウを少しでも自分の暮らすマンション管理組合の皆さんにアドバイスが出来ればいいなぁ、と思いながら日々設計三昧でおりました。

数日後マンション管理会社から郵便物が届けられ227日午後7時からに総会があるとの事でした。出席の返事を提出し、送られてきた書類に一応全て目を通しましたが、まだ全てが案であり総会で説明との事なので気に掛けずに総会に出席しました。

当日は15分前に会場に行きましたがまだ誰も来ておらず、場所を間違えたのではないかと思いながら待っているとスーツ姿の4人組が現れ、その4人組が管理会社の社員だと紹介を受けて間違いの無い事が分かりました。

時間よりもかなり遅れてその4人組といかにも親しげに現れたのが今回引越ししたマンション管理組合の理事長でした。

今回の総会は35戸のマンションの内7人しか出席しておらず、他の21人は理事長に委任状を出していて結局7人しか出席しないまま総会が始まりました。後で分かったことですが、私以外は全員役員だそうです。

まず、理事長の開会の一言があり、その後は全て管理会社の説明で決算報告承認、予算承認、大規模改修について・・・と話が案ではなくなっていました。

そこで疑問を感じたので理事長と管理会社に対して質問をしました。

私「これはあくまで案であってこれから修繕について検討していくのではないのですか?」

理事長「1年を掛けてやってきましたので、今日承認を頂きたい。」

私「劣化診断は第三者に依頼したのですか?」

理事長「管理会社に親切にして頂きました。又、ありがたいことに170万円掛かる費用をサービスして頂きました。」

私「見積書が出来ていますが何社かに見積もりを依頼したのですか?」

理事長「いえいえ、管理会社さん1社です。10年前も同じ管理会社に施工してもらってますし。」

私「本当ですか?今回私が入居した住戸のバルコニー樋の裏のペンキ塗り忘れ、塗膜防水の剥がれ、コーキング忘れ。これは手抜きですか?施工が下手でしょう?」

理事長「いやいや、理事長として私が現場を見ましたが本当に親切でしたよ。」

私「10年前も理事長をしていたのですか?」

理事長「はい。修繕工事は大変なんで前後2年は私が理事長をしています。今回も同様に引き続き来期も理事長を引き受けますので承認をお願いします。」

私「この契約金額は非常に高いと思いますよ。疑問はないですか?」

理事長「いえいえ、充分に値引きをして頂いております。」

私「分かりました。では別の質問をしますがエレベーターの音が室内まで響きうるさいのですがこれだけの高額な見積もりなのでその費用の中で改善できますね?」

理事長「検討はしてみます。」

私「最後の質問ですですが、何故そんなに修繕を急ぐ必要があるのですか?」

理事長「雨漏り等が出ており1年間検討をしてまいりました。」

というようなやり取りでした。

最後に、理事長の「案に賛成の方は挙手願います。」との一言があり、手を上げていないのは私一人でした。

何日か前に総会議事録が届きました。内容は本総会は満場一致で全ての議案が無事承認されました。との記載がありました。

通常マンション修繕にかかるには管理組合内で意見をまとめ、どこをどのように修繕していき費用の掛け方を検討していく必要があります。

見積もりも数社に見積もりを取り、その中で適正価格を提示し施工も安心して任せていける業者を選定するのが通常です。

今回の修繕見積もりを見ると適正価格の数割りは高いのでしょう。

私の住んでいるマンションはLマンション、D管理です。

これは自分の住んでいるマンションだから良かったと思います。

民主主義の中の多数決・・・あほらしく、笑いがしばらく止まりませんでした。と同時に背筋の凍るような思いも感じました。

ちなみに昨日も修繕に関する説明会がありましたが、出席しませんでした。